目も、モクを使ったシンプルでモダンなデザイン も素敵ですが、故障をしたらパーツごとに交換で きるというのもいいですね。 ─ どんなシーンで活用できそうでしょうか? 普段は長時間の立ち仕事なので、数時間煮込む料 理を作るときとか、キッチンから離れる時間が少 しでもできたら座ったり、横になったりしたいで す。あとばたばたと家の中で作業をしてそのまま 寝るということができなくて、とにかく一旦クー ルダウンというか、頭の中を空っぽにした状態で のんびりしたいので。いつもはお風呂に入る前後 にクールダウンの時間をとって、その後にベッド に入るのですが、そのワンクッションの際に何も 考えずにここで横になりたいです。私にとって貴 重なリラックスタイムなのですが、この椅子はそ の時間に最適だと思います。 ON&OFF の境がないのは、その方が自分のライ フスタイルに適していて、自ら選んでやっている ことなのでそこまで大変ではないです。とはいえ ストレスはちゃんと(?笑)あるので、そういう ときは、それこそ色々なお茶を飲んだりお菓子を 食べたりしながら、ゆっくりと時間をすごすとい うことが多いですね。 ─ 最近プライベートで夢中になっていることはあ りますか? 夢中になっているというわけではないのですが、 去年の9月まで2年間製菓学校に通ったことが、 それが私の中ではかなり大きなことでしたね。学 校では毎週末お菓子を作っていたのですが、料理 とお菓子の作り方が全く違うということに気づか されました。そしてそれと同時に、性格的にお菓 子作りは自分には向いていないということも浮き 彫りになりました(笑)。あとお菓子作りのことも もちろんですが、私は自分でも料理教室をしてい るので、先生の授業の進め方や生徒さんへの接し 方なども、すごく勉強になったので通ってよかっ たです。 ─ ちなみにお菓子作りのどういった部分が、ご自 身に向いていないと思ったのですか? 料理の方は修正ができるというか、最後の着地点 さえ間違えなければ何とかなるのですが、お菓子 の場合は最初の時点でつまずいたまま進めると、 そこでやり過ごしたことが最終的な姿として現れ てくるんですよね。とはいえ、じゃあパティシエ が料理を作ったら美味しいものができるのかって いえば、必ずしもそうではないんですけどね、不 思議ですけど。 ─ 美味しさや見た目の美しさ以外で、ご自身が料 理をする際にこだわっていることは? 季節感ですね。食材には旬があるので、季節のも のを摂取するということを大事にしています。冬 に食べるものは体を温めますし、夏に旬のものは 体を冷やす役割がちゃんとありますから。それは 体自体が欲しているものだと思うんです。 製菓学校に通って気づいた、料理家 としての自覚とふるまい ─ 先ほどおっしゃった、ON&OFF の境が無いと いうのは大変だと思うのですが、日常のストレス とはどう向きあっているのですか? 飲み物や本などを置くのにちょうどいいサイズのストレス レスアルファ。USB ポート付なのでスマートフォンを充電 したり、対応ミニライトを挿したり様々な使い方ができる のも魅力。 今後は料理家として、食というものの素晴らしさを様々なかたちで伝えたい ─ 料理家としてお忙しい毎日を送られているにも関わらず、学校に通ったのはなぜですか? 実際、私も目の前の仕事をこなし続ければいいといいますか、ずっとこのままでいいという気持ちがどこかに あったんです。でも夫から「このままでいいっていうことは、下降していると思った方がいいよ」って言われ たことで気づかされました。私の場合はお菓子作りでしたが、実際に新たなことを一つでも始めてみると、知 らなかったことを知ることができたり、苦手だったことが苦手じゃなくなることはないかもしれませんが、そ の苦手だと思っていたことの中に、好きな部分が見つかったりして色々と発見があって。私にとってはすごく 良い経験になりました。 ─ 最後になりますが、今後チャレンジしてみたいことは? 今までは雑誌のお仕事がメインで、雑誌を作るスタッフさんやスタジオ内だけでのやりとりが多かったのです が、一昨年から新たに料理教室を始めたことで、生徒さんたちを含めて色々な人たちと交流させていただくこ とで、新たな扉が開いた感じがしてそれが楽しいですね。あと自分の中である程度イメージができたら、次は 自分のお店をやるなどして、料理家としての幅をもっと広げていくことが理想です。そして料理家として、" 食 " というものを通じて、美味しいものをより美味しく食べてほしいという思いがあるので、それをちゃんと伝え ていけたらいいなと思っています。 ─「食」と「家具」というアプローチは異なれど、人々の暮らしをより豊かにする 提案という意味では、目指すところは同じ想いであるということを、今回のインタビュー を通じて改めて感じました。
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