います。トレーニング時間がおよそ1時間半で、 その前後に 20 分ずつくらいマッサージを受けて。 ─ ジムで体を鍛えるようになったきっかけは? 70 歳の年を迎えたときに、これからは老化が進む 一方なので、下半身を鍛えていないと長生きでき ないと思ったのが最初です。それからは毎週2〜 3回しっかりと通っています。ジム通いを始めて 2年目に、ホノルルマラソンを完走しました。 ─ 70 歳で始められてから、2年でホノルルマラ ソンってすごいですね。何かを始める際、ある程 度目標を立てて始めるのですか? そういうとかっこいいですが、そんな大そうなこ とではないですよ。僕は昔から努力をすることが 大嫌いでした。でもこれまでの人生で、例えば受 験も就職も、特に苦労をすることなく進むことが できました。こう言うと嫌味だとか言われますが、 じゃあ何で全てすんなり通ってきたかといえば、 僕はほかの人よりもものすごく好奇心が強いんで す。恐らく人一倍強い好奇心で、受験も就職も乗 り越えてきたのだと思います。努力することって ストレスになるじゃないですか。僕はそういうの はイヤだったので、できるだけ努力をしない。だ から好奇心の赴くまま、学校の授業はちゃんと聞 いていて、それ以外に努力はしませんでした。ただ、 好きな本や新聞など授業以外に興味のあることに は目がいきますから、そこではちゃんと知識を得 ていました。新聞も毎日読んでいましたし。だか らジムへ行くことが目標のために努力している行 為かと言われると、僕にとってはそういう感じで はないんですね。単純に自分の体に筋肉をつけて いく過程が楽しい、ただそれだけです。 愛する妻と一緒にいる時間こそが、最もリラックスできる時間 ─ そういった好奇心は、つねに持っているものですか? もちろんそうです。なくなったら死ぬときじゃないですか。好奇心って、若いときはものすごくもっているじゃ ないですか。でも年齢とともにだんだん失われてきますよね、高齢化=好奇心の薄れっていう。だから若さを 保つには好奇心をもつことだと思います。実年齢は 78 歳ですが、精神年齢は 18 歳ですから(笑)。年齢を重 ねた人間に対して「あいつはいい感じで落ちついたね」とかってよく言うけど、それは僕から言わせれば褒め 言葉でも何でもない。いつだってきょろきょろしながら生きていかなきゃ。前方から美女が歩いてきたら、やっ ぱりきょろきょろしないと(笑)。そこで振り向かなくなったら終わり。 ─ 最初にがんが発覚して、それを知らされたとき、 どんな気持ちでしたか? そのときはそんなにショックではなく、俺もとう とうがんになったかという感じでしたね。何故が んになったかは自分でもわからないです。よくス トレスががんの原因だと言われますが、ストレス なんてなかったですから。自分の性格はどちらか というといい加減、よく言えばネアカ、楽天的、 極楽とんぼというタイプで。 ─ がんをわずらう前と後で、ご自身の中で変わっ たことはありましたか? 特にないですね。大病をわずらうとよく「人生観 が変わった」なんていう人もいますが、人生観は そう簡単には変わらないですよ。人間は生きてい るけどやがて死ぬという、絶対に変わらない真実 の前にどう生きていくかっていう。生と死をどう 受け止めるかって、人それぞれちがうじゃないで すか。いずれやってくる死の前で、あわてずに従 容として迎えられるかどうかっていうことでね。 もちろん、健康には気を遣うようにはなりました けど。あと老化というものは抗えないものですが、 今まで以上にストレスを抱え込まないようには なったと思います。人間のもっている一番大事な 力は免疫力で、これは誰もがもっていて、自分の 体の中にある病などをなおしてくれる力です。が んはもちろん、病気に最も有効なのが免疫力です から。だからこの力を高めるべくすごしています。 高めるのに一番有効なのは笑うことです。 ─ 笑うことで免疫力が高まるということは、精神 と肉体の繋がっているということですね。 そうですね。心や気持ちなど色んなことがありま すが、そういう肉体的なものではないもの、そう いうものが肉体に影響を及ぼすことはあると思う し、その逆もあると思う。ストレスというのも そういうものですよ。 ─ では、鳥越さんがよく笑うときはどんなとき ですか? それはもちろん妻と一緒にいるときですよ。リッ プサービスではないですよ、いないと生きてい けないですから(笑)。妻は私がイラク戦争のと きにイラクに行くと言っても反対しませんでし たし、がんとわかったときも泣きわめいたりし なかったですから。私自身のストレスの無い生 活の一旦は、妻の存在がおおいにあると思いま す。よく二人で旅行に出かけます。ぱっと思い たって仙台や伊豆の温泉宿に一泊で行ったり。 あと船旅も大好きで、つい先日も二人でクイー ン・エリザベスに乗ってクルージングに行って きました。 今後も好奇心を持ち続けることで、ストレスレスな生活を送りたい ─ 実際にストレスレス ® チェアに座ってみての感想をお聞かせください。 リクライニングもできるし、頭と首の位置を固定しながら高さや角度を調整できるので、それぞれの負担も軽 減しますし長時間リラックスするには最適ですね。自宅には横になってテレビを見るためのソファがあって、 それはイギリス製のわりと高価な革製のものなのですが、なぜか頭と首と肩の位置がどうにも落ち着かない。 脊柱管狭窄症を患っていて首の痛みがいま一番のストレスなんです。なので、頭と首をサポートしてくれるも のは自分がまさに求めていたものですね。できることならこのストレスレス ® チェアで、ぼーっとしながら映 画やテレビを見たり、俳句を作ったりしたいです。あと見た目も良いですね。革の高級感もそうですが、私はスー ツでも何でもブラックが好きなのでこれはぴったりです。
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