─ 海外ではどのように過ごされていましたか? フランスでは、南仏のトゥーロンという街の海辺 の戸建ての家で暮らしていました。オーナーの家 族が娘のために建てた家だったのですが、運よく そこを借りる事ができて。カンヌまで 1 時間くら いのところです。日曜日はスーパーも休むので、 基本外出することもなく、家族の時間が増えまし た。 時間があるときは、車で国境を超えて、イタリア の北部、ポルトフィーノという海沿いの街や、ミ ラノ、ヴェネツィアなどに訪れたりしました。スパ イ映画のような緊張感があるのかと思ったら、東 京から神奈川に入った時くらいに何もなくて、拍 子抜けしました(笑)。帰国が決まった後、一週間 かけてフランス、イタリアをドライブして、最後 はモナコに泊まって帰ってきました。 オーストラリアは、オーストラリアの良さが、フ ランスはフランスの良さがありましたね。日本の ラグビーは、南半球の影響がとても強くて、あま りヨーロッパの文化が入っていないんですよね。 選手も、北半球の選手が日本のチームでプレイを するというのは少なくて。そんな中、自分がフラ ンスのチームでプレーをするというのはチャレン ジでしたが、本当にいい経験をさせていただきま した。 と驚かれたとか。海外生活で変化などありました か? 海外に行く前はラグビーが中心の生活で、家族と の時間よりラグビーを優先することも多かったの ですが、海外の選手達との交流の中で、ラグビー は生活の一部に過ぎない、そんな捉え方に変わっ ていきましたね。こういうラグビーとの関わり方 もあるんだなというか。それまではラグビーが三 角形のヒエラルキーの頂点だとしたら、今は大き な円の中の一部にラグビーがある、そんなイメー ジです。あとは、ラグビーと普段の生活に線が引 けるようになりました。 普段の生活で変わったことといえば、昔は掃除や 料理などの家事はしなかったのですが、今では家 族と家事の時間も共有するようになりました。人 がするのを待つより、自分でした方が早い、そん な気持ちになってきました。 ─ プライベートでリラックスできる瞬間や、安ら ぎを感じる時間は? シーズン中は生活のリズムを変えないようにして います。オフになると気持ちを切り替えるのに、 海を見に行くとか、キャンプをしたり、日常から 離れたことをしたくなりますね。 家族が住む自宅は海のそばにありリラックスでき る空間なのでよく滞在しています。マリンスポー ツが好きで、クルーザーに乗って沖に出て、海釣 りをする時も多いです。食べられる魚を主に狙う のですが、遊漁船を見つけて、その側で糸を垂ら すとよく釣れるんですよ。釣った魚は家に持って 帰って、子供達と一緒に捌いて料理します。子供 は 5 歳と 9 歳になり、今はラグビー、柔道、水泳 をやっています。 あとお酒は大好きですが、家ではあまり飲まず、 飲みたい時は外で飲みます。海外での生活の中で、 僕も妻もワインにハマりましたね。フランスでは ワイナリーも周りましたし、帰国するときには、 かなりの本数を持って帰ってきたこともあり、今 では家にワインセラーもあります。 ─ 日本に復帰後、周囲からは「雰囲気が変わった」 ─ ご自身をとりまく環境も変わられたと思いますが、ストレスを感じることは?一般の方々もできるストレスへの 向き合い方があれば教えてください。 ストレスとかプレッシャーって目に見えないですし、触れないものですよね。自分がストレスと思えばストレスだし、 プレッシャーと思えばプレッシャーになる。そんなものを感じているくらいなら、自分のできることをピックアップ して、外的要因を一つずつ解決していくことに集中した方が良い結果に繋がっていきますよね。 キックに置き換えると、最初は外すんじゃないかとか、外したらどうしようとか、ネガティブなイメージを持ってい たのですが、精度を上げてゆくトレーニングを積んでゆく中で、どうしても左右されてしまうところと、自分自身が しっかりしていれば影響されないところ、その二つがあることに気づきました。 キックは風の影響を受けるし、天候にも左右され るし、芝生の状況でも変わってきます。そこは自 分ではコントロールができないこと、外部的な要 因ですよね。だとすると、自分がコントロールで きることを詰めていくことでしか、成功率を高め ることはできないですよね。 ゴールが決まる、外れるという結果より、自分の できることに集中する過程が大切で、その結果外 れてもしょうがないし、そこには後悔もない。あ るとすれば、自分がやれることをやらなかった後 悔ですよね。そんな風に考えるとストレスやプレッ シャーから少し楽になれると思います。 ─ 五郎丸選手の思う「心地のよい住まい」の条件 とはなんでしょう? 家具は黒が好きで、家のチェアもソファーもブラッ クですし、他の家具もモノトーンなものが多いで す。理想はスタイリッシュな感じがいいんですが、 結局は落ち着く家がいいですね。家族ができると、 子供が動き回ったりするので、スタイリッシュと の両立はなかなか難しいですね。 ─ 今、ストレスレス ® チェアはどのように、どん な時に座られていますか? 家ではリビングに置いてあるのですが、帰ってか ら疲れをとりたい時や、リラックスしたい時に座 ることが多いです。あとは、資料を見たりとか、 パソコンに触ったり。ワールドカップの解説の仕 事の時とかは、対戦相手の分析をしたり、試合の 映像を見たり。今は自分のシーズンに集中できる ので、自分やチームのプレーを振り返ります。ラ グビーを離れたら、読書をしたり、映画を観たり もします。 ─ 今回のストレスレス ® トーキョーはいかがです か?この特等席でどんな時間を過ごしたいです か?
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